2009年2月6日金曜日

無事じゃなかった「とりさん」

ハドソン川に無事に不時着した飛行機の交信記録が新聞に掲載されていた。
全てのエンジンが停止するという緊急事態に、落ち着いてベストの判断をして任務を全うしたパイロットの話はかっこよくて胸のすく話なので、いろいろなメディアが取り上げている。

でも、このニュースを3歳の息子に説明したときの反応は、ただ一言「鳥さんはどうなったの?」
・・エライ。そうやって物事を別の角度からみられるヒトになっておくれ。

さて、明日は小貝川と菅生沼の野焼きだ。当初は先々週に予定されていたが、悪天候で延期になった。
ここのところ天気もよく、風も吹いたので、きっと草は乾いているだろう。燃えるぞ、きっと。

2009年2月1日日曜日

やまのかいしゃは、メガネはいらないんだよ

早く帰宅した晩は子供(3歳と1歳)に絵本を読み聞かせている。休日は家にいる間のかなりの時間が絵本読みだ。いま家の子供たちがハマッているのがスズキ・コージ作品。
今日も「きゅうりさんあぶないよ」「ガブリシ」「やまのディスコ」「やまのかいしゃ」「ガッタンゴットン」あたりをヘビーローテーションで読んだ(子供は同じ本を日に何度も何度も何度も読みたがる)。

表題は「やまのかいしゃ」から。

寝坊して飛び乗った電車が会社のある町に向かわないので、成り行きにまかせて「やまの会社」に行くことにした「ほげたさん」。景色のよい山の会社で楽しく過ごし、あまり気持ちが良いので町の会社で働く仲間を山に呼ぶ。社長以下、大勢の社員が山に登ってきて楽しく過ごすのだが、「やまのかいしゃはもうからないので」、会社の仲間はまた元気に山をおりて町を降りていく。でもほげたさんは山の会社を任され、そのままいまでも楽しくやっている。という話。ほげたさんが会社に行きたくないわけではないこと、社長や会社の仲間もほげたさんを咎める様子がないことなどの設定が、この本を魅力的にしているのだろう。何とも面白い。子供がいなければ読むことはなかったかもしれない。

「きゅうりさん・・」「ガッタンゴットン」のようなナンセンスものも大好きなうちの子供たち。将来が楽しみである。まぁ親が読んでいて楽しいから、子供もつられて好きになるのかも。
スズキコウジの絵は本当にすごい。

2009年1月30日金曜日

修論発表会

私の所属する専攻(東京大学農学生命科学研究科生圏システム学専攻)の修論発表会が終わった。

「生圏システム学専攻」という言葉は???だが、英語ではDepartment of Ecosystem Studiesであり、要するに生態学の専攻だ。そして多くの研究室が保全生態学的なテーマを扱っている。私が就職したのは今から7年前だが、その頃にくらべて、生態学のテーマとして面白い研究が格段に増えたように感じた。それぞれバックグラウンドとなる分野は違うが、社会的にニーズの高い研究や先見性のある研究テーマをうまく選んでいると思う。偉そうな言い方をすれば、この専攻が設立されて10年経ち、ようやく成熟してきたということだろうか。いい専攻だなぁ、と思いながら質疑応答を楽しんだ。

今年は空間生態学やハビタットモデリングに関連したテーマが多かった。ちょっと流行なのかな。

2009年1月22日木曜日

谷中村滅亡史


いつか読まなければ、と思って入手していた本。少し読んでは、一文一文のあまりの「重さ」にページがめくれなくなっていた本で、長らく本棚に並んでいたが、今年から渡良瀬遊水地にも少しずつ関わろうと思った機会に、最後まで読んだ。

渡良瀬遊水地は関東平野に氾濫原の自然を大規模に再生できる唯一の場所だと思う。

企業と国によって奪われた谷中村は元にはもどれない。しかし谷中村とともにあった赤麻沼とその周辺の沼沢地の自然は、もう一度蘇らせることができるのではないか。それは谷中村が滅亡した頃には意識されていなかった「生物多様性の保全」という世界的な目標にとって、特別な価値のあることだ。谷中村が存在した場所にそのような新しい価値を見出して再生させるという考え。田中翁が聞いたらどう言うだろうか。

2009年1月15日木曜日

霞ヶ浦の水位

研究フィールドにしている霞ヶ浦の水位は、ほぼ毎日ネットでチェックしている。
今年の冬はYP1.3mという高い水位が長い期間維持される方針だという。今日も1.28m。こんな数字を見るたび、身が削られていく思いがする。この水位は現在の霞ヶ浦の湖岸に辛うじて残されているヨシ原の地面(大抵の場所がYP1.1m程度)を著しく侵食するものだからだ。植物の発芽が始まる3月までヨシ原を冠水させ、発芽の機会を失わせるものだからだ。

水位の問題を指摘する論文を書き、機会があれば発言もしてきたが、まだどうすることもできていない。失われていく植生をみてため息をつくばかりだ。水位管理の効果を検証する「専門家」による委員会もあるが、明らかな植生変化を示すデータを得ながらも「今後も継続したモニタリングが必要」という程度の結論しか出せていない。誰かなんとかして!

水位を直接的に管理しているのは国土交通省と水資源機構という国の機関だが、水位はここの一存で変えられるものではない。水を利用する権利をもつ主体=主に茨城県が「少なくともこの季節はそんなに水はいらない。むしろ生態系を守って欲しい」と声をあげないと。とはいえ、霞ヶ浦も河川法のもと国土交通省が「環境保全」のための仕事をする対象なのだから、自然へのダメージが大きい管理を継続するのは問題である。「環境のために水位を下げて良いですか?」と、はっきり態度を示したらいい。

印旛沼では千葉県の河川行政がいろいろと努力し、保全のための水位管理方針の変更を実現している。実験的に(局所的に)昔のような大幅な水位低下をさせた場所では、念願の沈水植物の再生も実現した。県の職員の方とお付き合いする中で、いろいろな制約の中、将来を見据えて様々な努力をしてくれる意欲的な方が複数いることを知った。茨城県にもそのような方がいるはずだ。いつかそのような方々と協力し、未来によい財産が残せる管理を実現したい。