2009年12月20日日曜日

「狂い咲き」の傾向

気候の年変動で、例年とは異なる季節に開花するあるいは展葉・落葉する、といったフェノロジーの「異常」は、野生植物よりも人為導入した外来種や栽培品種の方が多いのではないか、と思うのだが、そんな統計ってあるのかな。その場所で自然淘汰をうけていないぶん弱いんじゃないか、という単純な発想なのですが。
関連のことご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示いただけると嬉しいです。

うちの庭ではカロライナジャスミンが咲き始めてしまいました。アジサイは品種によって常緑化しています。

「植物のようにモジュール性の生物の方が、モジュールによってフェノロジーのシグナルにする環境要因が異なるため、中枢神経系で統合されている生物よりも気候変動による適応度の低下が生じやすいのではないか(葉はすっかり休んでいるのに花ががんばってしまうとか)」ということを考えながら、今日は庭の手入れをした。

2009年12月6日日曜日

1/125000のヤハラさん

少し前になるが妻から「ちーがお風呂上りに『ヤハラさーん、ヤハラさーん』と言っていて気持ちが悪いので『それ誰?』ってきいたら、『いつもいっしょに』のうさぎさんのお母さんのことだって。ワケわからん」というメールがきた。「ちー」とはうちの息子(4歳)、「いつもいっしょに」は絵本のタイトルで、うさぎは出てくるがそのお母さんはでてこない。

うちで子供の前でY教授の話をしたことはないから、おそらく何となく面白い言葉として「ヤハラさん」を言っているのだろう。最近、そういうデタラメ語が彼の中では流行っているから。3文字の言葉をデタラメに口にしたとして、それが偶然生態学会長のお名前になる確率は50の3乗分の1か。

2009年12月5日土曜日

「今後の治水のあり方」に「環境」の視点は

八ツ場ダムのことがこれだけ話題になっていても、新聞やニュースでは「住民vs.前原大臣」「建設コスト」の話題ばかりで、環境のコストのことは全くといっていいほど取り上げられいない。これはマスコミは単純な対立図式を描きがちだからであって、国交省ではダムに伴う環境破壊についても改めて検討しているものと思っていた。

しかし実情は、、本当に環境のことは考慮に入っていないのかもしれない。
今週の木曜日に「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が開かれた。「今後の治水対策について検討を行う際に必要となる・・・新たな評価軸及び総合的な評価の考え方等を検討する」という目的の会議に、生態学の研究者が一人も入っていないというのは。

新しい視点の治水を考えるとき、ある程度の氾濫を許容する社会づくり、水田などの農地の遊水地としての活用、といった視点は欠かせないだろう。この問題は氾濫原を利用する生物の多くが絶滅危惧種になっている事態とセットで議論されるべきなのではないだろうか。

2009年11月29日日曜日

三方湖帰りの車内

三方湖での調査を終えた。
さぶかったよー。霞ヶ浦での調査の帰りだったら、ぜったい「マックスコーヒー(ホット)」の気分である。でも福井では売っていないので中途半端に甘く・苦い普通の缶コーヒーで我慢。マックスコーヒーは練乳入り甘さmaxのコーヒーで、子供の頃から身近にあったので知らなかったが、利根川中下流域限定らしい。

三方湖では漁師の方と「ヒシの増殖」についてじっくり話す機会があり、とても有益だった。「ヒシは善か悪か」に単純化してしまう議論の展開に、はっきりと疑問を呈しておられた。やはり日常的に湖に出ている方は、時間をかけて話すと多くの点で共感しあうことができる。ものごとを総合的に捉えるということでは、生活者の視点のほうがたいていの研究者よりもはるかに優れている。

先日参加したセミナーで、特定の専門家が生態系管理や自然再生で主導権をもつと碌なことがない、という言葉をきいたが、それは当たっていると思う。

もちろん、自然をじっくり見ている「生活者」の判断が常に正しいわけではない。「思い込み」というのは誰にでもある。過去に経験したことへの対応なら、(根拠が薄弱でも)感覚的判断でだいたい問題ない判断ができるが、新しい事態に直面したときに「思い込み」で判断してしまうと大きな失敗があるかもしれない。

「思い込み」の落とし穴は、客観的データを示すことが商売の研究者にも、常に存在する。データ自体は客観的でも、研究のフレーミングや結果の解釈の段階で、とても偏ったメッセージを発してしまうことがある。研究者の視野は(もちろん自分も含めて)たいていとても狭い。

研究者がもつ「狭さ」の社会への弊害を回避するカギはコミュニケーションだと思う。現場に軸足をおく研究者は、異分野の専門家や、究極のジェネラリストである「生活者」と、よいコミュニケーションができる必要がある。

生態系管理や自然再生のあり方の議論では「合意形成」の重要性と難しさがいつも話題になる。合意形成のカギは、参加する人が「自分の考えを変える覚悟」と「思い込みを思い込みと認める覚悟」を持つことにあるように思う。謙虚さと言っても良い。もちろんその必要性は研究者にも(研究者にこそ)あてはまる。

謙虚な人を相手にして謙虚に成るのは割合と容易である。でも謙虚でない人をあいてにしても謙虚さを貫き、かつ自分の考えと他人の意見を柔軟に取り入れたアイディアを考え続けることは、簡単ではない。そういう粘り強さが、まだ自分に足りていないと思っている。

2009年11月14日土曜日

カワコンブの正体

以前にブログに書いた「カワコンブ」、コウホネ類(おそらくナガレコウホネ)の沈水葉ではないかという情報をいただいた。情報を下さった栃木県立博物館のHさんTさん、どうもありがとうございます。

なるほど!と膝を打った。
たしかに見た目は昆布っぽいし、食べられる(地下茎は漢方薬のセンコツ[川骨])。