2009年12月5日土曜日

「今後の治水のあり方」に「環境」の視点は

八ツ場ダムのことがこれだけ話題になっていても、新聞やニュースでは「住民vs.前原大臣」「建設コスト」の話題ばかりで、環境のコストのことは全くといっていいほど取り上げられいない。これはマスコミは単純な対立図式を描きがちだからであって、国交省ではダムに伴う環境破壊についても改めて検討しているものと思っていた。

しかし実情は、、本当に環境のことは考慮に入っていないのかもしれない。
今週の木曜日に「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が開かれた。「今後の治水対策について検討を行う際に必要となる・・・新たな評価軸及び総合的な評価の考え方等を検討する」という目的の会議に、生態学の研究者が一人も入っていないというのは。

新しい視点の治水を考えるとき、ある程度の氾濫を許容する社会づくり、水田などの農地の遊水地としての活用、といった視点は欠かせないだろう。この問題は氾濫原を利用する生物の多くが絶滅危惧種になっている事態とセットで議論されるべきなのではないだろうか。