2009年7月23日木曜日

蕪栗沼遊水地

今日は宮城県の蕪栗沼へ。土浦でレンタカーを借り、石岡で草刈り機を積み込み、常磐道・東北道を走ること5時間で到着。昨日までの名古屋はとても蒸し暑かったので、ひんやりした空気がとても清清しく感じられる。

蕪栗沼周辺は、冬季湛水をはじめとした生物に配慮した稲作農法が成果をあげ、世界で初めて水田を含めた湿地がラムサール湿地に登録されたことで有名な地域である。今回はじめて訪問したが、今日は現地を走り回って、この地域はもともと広い氾濫原であり、現在の蕪栗沼は水田開発に伴って造成された遊水地=治水施設であることがよくわかった。蕪栗沼は、周囲堤、囲堯堤、越流堤が整備されており、近代的な治水施設といえる。

水田がラムサール登録されたことも画期的だが、治水施設(洪水から人間の命と財産を守ることが主目的の施設)が登録された、というのも誇るべきことなのではないかと思った。そして、生物に配慮した農法の「水田」と、洪水の影響も受け野生的な自然が残る「遊水地」が隣り合って存在することで、多くの野鳥にとって魅力的な生息環境になっているということが、とても面白いと思った。日本の各地にこのような遊水地は存在する。その周辺で生物に配慮した水田耕作をすることは特別な効果を持つかもしれない。

さて、明日は6時におきて草刈り。今回の出張の主目的は、ここをフィールドに研究している大学院生のY君の手伝い。有機農業を悩ませている斑点米カメムシを抑制するための水田周辺の植生管理という意欲的なテーマに取り組んでいて、今回はランドスケープスケールの壮大な実験をしようというので、手伝いに来た。草刈りなら任せておくれ。