2011年3月11日金曜日

生態学会

ありがたいことに、「日本生態学会大島賞」をいただくことになり、札幌での日本生態学会大会で受賞講演をいたしました。冒頭ではたしかこのような挨拶をしました。

「保全生態学は今でこそ生態学会の中でもごく普通のテーマとなりましたが、ほんの10年前には、生態学会の中で少なくとも主流ではありませんでした。私自身も、大学院時代から、指導教員だった鷲谷いづみ先生が始めた「保全生態学研究会」のお手伝いをしてきましたが、少なくとも大学院時代は、自分が大好きな「生態学の研究」と「保全という社会的課題」の間にはだいぶ距離を感じていました。研究の世界へのあこがれが強かったこともあり、保全のような応用分野を、基礎生態学より下に見る気持ちもあったように思います。
 しかし、学位をとって最初に就職した建設省の研究所で考え方が大きく変わりました。開発と保全がせめぎ合う最前線にかかわることになって感じたのは、不遜ではありますが、『現場ではこれほど生態学の知識や生態学的な考え方が必要とされているのに、生態学者がそのニーズにあまりにもこたえられていない』ということでした。
 それ以降は『生態学の視点からの社会への情報発信を積極的にすること』とともに、『生態学の中で保全生態学を主流化すること』を、特に意識して研究や活動をしてきました。このたび生態学会からこのような賞をいただけたことは、そのような面を含めて認めていただけたものと解釈して、とてもありがたく思っております。」