2008年7月9日水曜日

洪水のにおい

自分は床下・床上浸水のような水害は経験したことがない。しかし故郷は利根川下流域の氾濫源。家がある場所はおそらく自然堤防と思われる微高地上とはいえ、洪水被害未経験なのは、堤防に守られていたからだ。

洪水の時の話は母親から何度か聞かされた。よく聞かされたのが「便所があふれるのがいやだった」ということだ。その頃のトイレは汲み取り式だし畑に肥溜めがあるから、洪水の時にはそれらから溢れて流れてくる。伝染病にもつながる、人間が本能的に忌避するニオイがしたことだろう。

河川の出水への生物の適応。生物多様性の維持における氾濫の役割。これらは私にとって本当に面白いテーマだが、こういった洪水と結びつく話題について、社会に向けて何らかの提言や情報発信をするときは、「洪水のニオイ」のことは頭の片隅にでも常に置いておきたいと思う。

今日は午前は鬼怒川の氾濫原(扇状地)の自然再生の打ち合わせ、午後は霞ヶ浦の氾濫原(湖岸植生)のモニタリングの打ち合わせをした。一息つきながら、そんなことを考えた。