2016年8月6日土曜日

原爆の日に

今年の5月にお亡くなりになった金森修先生が、授業の中で、「原子爆弾はそのときの科学の粋の結晶として作られた」という例で、科学の使い方・使われ方の議論をされたことがとても心に残っている。

いまの社会の中での科学はどうだろうか。物理学や工学といったハードな分野だけでなく、生態学のようなふんわりした分野も、いまの社会にちゃんと向き合っているだろうか。「社会的ニーズに答える」という耳当たりのよい言葉で、社会の主流に迎合してはいまいか。警報をならすべきところで鳴らしているだろうか。

応用科学と社会の関係について。社会の主流に対して、支援する科学、警告する科学、道を示す科学があると思う。道を示すというのは「進むべき道」をしめすのではなく、選択肢を提示し「どの道はどこに通じると予想されるか」を示すという意味だ。どの科学も重要だと思う。