浮島湿原(妙岐の鼻)で水文・水質動態を研究したNさんのD論公聴会。
私たちが植物の多様性の面から注目している場所が、水質・水文の面から特別な場所であることが明確に示され、本当に感動した。湿原内で絶滅危惧種が集中分布する場所は、川や湖の水の影響を受けにくく、雨水に近い水質の湿原が維持されやすいような地形的・水文学的条件をもっていることがはっきりした。
物理学と生態学というまったく別のアプローチで研究をしても、真実は一つ、ということか。
物理現象は生態現象よりも予測能力において比べ物にならないほど優れている。水質や水位の変化が生物に及ぼす影響を予測するには、優れた物理学的モデルと組み合わせることが有効だと思った。