2010年7月14日水曜日

水路の水草調査(三方湖)

7月12-14日は再び三方湖へ。流域の河川・水路の水草調査を久保くん照井くんと進め、予定通り完遂した。三方湖本体では沈水植物がほとんどなくなってしまったが、流域の水田水路にはそれなりに残っているという前提で開始したが(実際、昨年まではそのような印象だった)、水路でも在来の沈水が残っている場所はきわめて稀になっていた。

在来沈水植物の減少を招いていると考えられる要因、除草剤、アメリカザリガニ、ウシガエル、外来沈水植物(オオカナダモ・コカナダモ)。これらの寄与を分析し、仮説を整理するのに必要なデータをとることができた。また、オオカナダモとクロモの生態的特性の違いについて面白い仮説をたてることができた。

生態学的には興味深い成果が得られているが、保全という視点からは非常に辛い状況がわかった。

一つ言えること。かつての保全生物学では、分断化されたハビタットの連結性を高める(コリドーでつなぐなど)ことは保全の基本セオリーとされていた。しかし、外来種などの圧力が全体的に高まってしまうと、辛うじて生物が残っている場所を積極的に「孤立」させるように、連結性を断つことがむしろ保全に有効な場合が多い。安易なコリドー回復は、レフュージアの機能を損なうことになる。このことは結構一般性があると思う。とっても重要。