印旛沼の湖岸の一部で千葉県が行った実験のことが新聞記事になった.
http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008111701000326.html
シードバンクのポテンシャルの高さは霞ヶ浦でも確認されたが,「湖内で」「水位低下によって」再生できたところに新しさがある.
印旛沼の現在の湖岸はほぼ全域が干拓堤なので,霞ヶ浦でおこなったような「堤防の湖側に盛土をして植生を再生する」という方法はあまり薦められない.湖を今まで以上に埋め立てることになるし,工法的にもいろいろと無理をしなければいけなくなるからだ.それよりも本質的なのは,水位と水質の条件を改善して現在の湖内に沈水植物帯を復活させることと,干拓してできた陸地を湿地生物の生息に適した環境に改善することだ.今回記事になった実験は,前者の実現に繋がるものである.
来年は後者に関係した実験もはじまる.