生態学会盛岡大会が終了。
収穫が多い学会だった。自分がそのようなテーマを特に選んで聞きに行ったせいもあるかもしれないが、形質ベースのアプローチに向かい始めた人が多いように感じた。生物多様性と生態系機能をつなぐ研究が本格化し始めたということかもしれない。
2000人規模の学会で、同じ時間にたくさんのセッションが重なるから、面白い発表のありそうな部屋を見極めるのが重要だ。さいきんは少し目が肥えてきたのか、なかなか良い選択ができるようになってきた気がする。いろいろと新しい情報を仕入れることができた。
ポスター発表でいろんなジャンルの生態学の発表を眺めると、解析やアプローチが練れていない発表は「保全」のテーマに集中して多かったように感じた。もちろん保全でもしっかりした研究はあるのだが。理学以外の分野を背景とする研究室の発表が多いせいだろうか。 「保全のテーマならちょっとレベルが低くても許される」という風潮にならないように気をつけなければ。保全の現場では研究のための理想的なデザインにできない場合が多いが、制約のもとでベストな解析手法を検討する必要がある。幸い、現在は限られた情報から(無理な当てはめをせずに)解析する手法も提案されている。
毎回のことながら生態学会は本当に楽しい。そして、3月というタイミングが良い。新しい情報や着想を得て、来年度の仕事を考えることができる。