2010年6月15日火曜日

「はやぶさ」のニュースに思う

「はやぶさ」がこんなに話題になるのはその物語性ゆえだろう。天文学的な価値とは無関係に「苦労しながら長旅をした」物語が人を惹きつけている。

ある地域から生物が消えることを、自然誌の知識がある人がとても悲しく思うのは、物語を感じるからではないだろうか。生態系サービスとか機能的役割とかは無関係に、偶然と必然が作用する進化や生物間相互作用の歴史を通して「この場所に生きることになった」生物の物語に心が動かされる。

そのような物語を感じる「自然誌力」を持った人が増えれば、生物多様性の議論も変わってくるのではないだろうか。