日本での生物多様性観測ネットワーク(JBON)の第一回会合に参加した。既存の様々な生物・生態系調査データを統合的に活用し、ローカル~グローバルまで様々なスケールでの現状把握や予測に役立てる体制を整備しよう、ということがコンセプト。来年名古屋で開かれる生物多様性条約締約国会議で話題になるポスト2010年目標や、その到達度評価といった国際的なニーズもあり、「生物多様性の現状把握」の手法開発とデータベース整備が急速に求められるようになっている。
知らなかった沢山のことを効率よく勉強することができ、とても有益だった。
以下、印象に残った議論メモ。
「様々な活動の生物多様性への影響を評価し、CO2排出権のように、Cap&Tradeされる時代は確実に来るだろう。そのとき、Ecological Footprintは有効な指標となるのではないか。」
「地方分権が進めば河川水辺の国勢調査のような長期モニタリングは継続が難しくなるだろう。」
「IPCCレポートと比べて生物多様性に関するレポートが社会的に権威をもち得ないのは、生物多様性研究者の間での議論の不十分さに一因がある。」
「生物多様性概念を構成する重要な要素である『固有性』の評価手法には課題が多く残されている」